ウィコフ理論
ウィコフ理論は、20世紀初頭にリチャード・ウィコフが確立したテクニカル分析の枠組みです。価格・出来高・時間を分析し、大口の機関投資家(コンポジット・オペレーター)による操作の循環を見極め、それに調和して取引することを目指します。
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Supply & Demand
需要が供給を上回れば価格は上がり、供給が需要を上回れば下がります。あとはすべて、いまどちらの側が主導権を握っているかを読み取る作業です。
Cause & Effect
レンジを作るのに費やした時間(原因)が、そのあとに続く値動きの大きさ(結果)を決めます。土台が広いほど大きなトレンドを賄える——ポイント・アンド・フィギュアのカウントで測ります。
Effort vs. Result
出来高が労力、値動きが結果です。膨大な出来高がわずかな前進しか生まないとき、その動きは吸収されており、転換が近づいています。
Accumulation
スマートマネーが横ばいのレンジの安値圏で、弱い手の売りを吸収していきます。戻りで出来高が増え、押しで減ります。スプリング(サポート割れの振るい落とし)と強さの兆候(SOS)で終わります。
Markup
価格が出来高を伴って買い集めのレンジを上抜けます。高値も安値も切り上がっていきます。大衆は遅れてトレンドに気づき、買い始めます。BUEC がブレイク水準を試し直します。
Distribution
スマートマネーが高値圏で個人にポジションを渡していきます。買い集めと同じ構図の裏返しです。UTAD(売り抜け後の上放れ失敗)と弱さの兆候(SOW)で終わり、高値圏では価格がレンジで推移します。
Markdown
価格が売り抜けのレンジを下に破ります。高値も安値も切り下がります。大衆は狼狽して安値で売る——ちょうどスマートマネーが再び買い集めているときにです。BUTI が下抜け水準を試し直します。
予備的支持 (PS)
長い下落のあとに現れる、最初のまとまった買いの試みです。出来高が増え値幅も広がりますが、下落はまだ止まっていません。下落局面の終わりが近いかもしれないという合図です。
セリング・クライマックス (SC)
大商いと広い値幅を伴う激しい狼狽売り。終値は安値からかなり離れた位置になります。売り手の力尽きと下落局面の終わりを示す、その値動きで最も長い陰線です。
自動反発 (AR)
SC のあと、売り方の買い戻しによって起きる鋭い反発。出来高は多いこともありますが、終わりに向けて細っていきます。買い集めレンジの上限を定めます。
二次テスト (ST)
価格が出来高を減らし値幅を狭めながら SC の水準まで戻ってくる動き。売りが吸収され、売り圧力が弱まったことを確認させます。
Spring
買い集めレンジのサポートを下抜ける振るい落とし。売り方を罠にかけ、残った売りを吸収します。下抜け時に出来高が小さければ強気のスプリング、大きければ失敗の可能性。最も勝率の高いエントリー地点です。
クリークからの押し戻し (BUEC)
価格が買い集めレンジを離れたあと、ブレイク水準まで押す動き。押しで出来高が減り、売りが尽きたことを確認させます。スプリングを逃した人にとっての王道のエントリーです。
Sign of Strength (SOS)
出来高を伴った力強い上昇で、スプリングからレンジを抜けて上へ向かう動き。機関投資家が価格を押し上げる用意を整え、買い集めが完了したことを裏づけます。
LPS — Last Point of Support(最後の支持点)
強さの兆候のあとに切り上がった安値で、抜けた抵抗線をサポートとして試し直す動き。買い集め局面で最もリスクの低い買いエントリーです。
PSY — 予備的供給
上昇トレンドに向けた最初のまとまった売り。大口が処分を始めます。価格はまだ上がりますが、上昇の勢いは鈍ります。
BC — バイング・クライマックス
レンジの天井を示す、熱狂的で出来高の多い買い。個人が強気に買い上がる一方で、スマートマネーはその需要にぶつけて売っています。
UT — Upthrust
抵抗線を上抜けようとして失敗し、レンジ内に戻って引ける動き。ブレイクを買った参加者を閉じ込めます。
Upthrust After Distribution(UTAD)— 分散後の上抜けダマシ
売り抜けレンジの抵抗線を上抜ける偽のブレイク。出来高は多いものの、価格はレンジ内に戻って引けます。個人の買い需要にさらに売りをぶつけるための、機関投資家の罠です。
Sign of Weakness (SOW)
売り抜けのあとに起きる、大商いを伴う急落。UTAD から広い値幅でレンジを下に突き抜けます。スマートマネーが売り切り、下落局面が始まったことを裏づけます。
LPSY — Last Point of Supply(最後の供給点)
弱さの兆候のあとに切り下がった高値で、割れたサポートを抵抗として試し直す動き。売り抜け局面で最もリスクの低い売りエントリーです。
コンポジット・オペレーター
ワイコフの中心概念。大口の機関投資家(銀行、ファンド、マーケットメイカー)すべてを、ひとつの仮想的な主体として捉えます。相場をこの「コンポジット・オペレーター」の意図的な作戦として読むこと——ランダムなノイズとしてではなく——が、決定的な視点の転換です。
買い集めのキャンペーン
コンポジット・オペレーターは数週間から数か月かけて静かに買い、上昇を引き起こさないように供給を吸収します。ニュース、恐怖、変動を利用して弱い個人を振るい落とし、安値で株数を集めます。
売り抜けのキャンペーン
上昇局面をやり遂げたあと、コンポジット・オペレーターは上昇が続くと信じる個人に全ポジションを渡します。大衆の強欲と取り残される恐怖が、天井で売り抜けるために利用されます。
Effort vs. Result
労力(出来高)と結果(値幅)を比べます。大商い+わずかな値動き=吸収(強い手が売りを引き受けている)。大商い+大きな値動き=確信があり、続伸・続落が見込めます。
No Supply
上昇トレンド中や買い集めレンジ内で、値幅の狭い陰線が極端に少ない出来高で出る状態。売りが尽きたことを示す強気のサインで、背後の需要を裏づけます。
No Demand
下降トレンド中や売り抜けレンジ内で、値幅の狭い陽線が極端に少ない出来高で出る状態。買いが枯れたことを示す弱気のサインで、背後の売り圧力を裏づけます。
クライマックス出来高
価格の極値で出来高が極端に膨らむ状態(セリング・クライマックスまたはバイイング・クライマックス)。優勢だった側の力尽きを示し、転換または長い保ち合いが近いという重要な警告になります。